← 記事一覧

英語学習

句動詞45選 — ネイティブが毎日使うものと、教科書にしか残っていないもの

公開日 2026年9月16日 · 10 分で読めます

大きな青いブロックと小さな黄色のブロックがパズルのようにかみ合い、その脇から緑の矢印が弧を描いて伸びているイラスト

get は知っています。over も知っています。どちらも英語を始めて最初の月に出会った単語です。ところが ‘I can’t get over how fast she learned it’ と言われると、両方知っていても何の役にも立ちません。句動詞の厄介さはまさにここにあります。部品は簡単、組み合わせは簡単ではない。しかも単語を増やしても解決しません。新しく調べるべき単語が、そもそも存在しないからです。

英語には句動詞が何千とあり、だから「句動詞まとめ」のような大きなリストはたいてい意欲を削ぐだけで終わります。実際に必要な数はもっと少なく、数十個が日常会話の大半を担います。しかも日常、仕事、予定、トラブルという予測可能な場所に固まっています。ここでは意味と本物の例文つきで45個、自然に聞こえるか翻訳調に聞こえるかを分ける文法ルール二つ、教科書が教えすぎているもの、そしてリストを口に移すための手順を扱います。

単語はどれも簡単なのに、意味がつかめない理由

句動詞とは、動詞に upoutoffonoverdown といった小さな語がついて、二つを別々に見たときとは違う意味になる表現です。give は何かを手渡すこと、give up はあきらめること。どちらの単語にも「あきらめる」はありません。

ここまでは誰もが予想する難しさです。本当に効くのは、誰も事前に教えてくれない別の二つのほうです。

  • 同じ動詞が無関係な意味に枝分かれします。 get up はベッドから起きること、get off はバスを降りること、get over は立ち直ること、get along は仲よくやること。get を一度覚えて終わりにはできません。組み合わせごとに別の単語として覚えることになりますし、実際それは別の単語です。
  • 句動詞を避けると、かたい英語になります。 ほとんどの句動詞には一語のいとこがいます。put up with に対する tolerateput off に対する postponelook into に対する investigatecarry on に対する continue。書き言葉から英語を学んだ人は一語のほうに手が伸び、文は正しいのにどこか硬くなります。話し言葉では句動詞が中立で、ラテン語系の語のほうが目立つ選択です。I couldn’t tolerate the noise は報告書の文、I couldn’t put up with the noise は人間の文です。

だから目標は句動詞を「わかる」ことではありません。読むときはたいてい問題にならないからです。話すときに取り出せる40個ほどを持つこと。これはずっと小さな仕事です。

一つの青いブロックから細い矢印が三方向に伸びるイラスト。黄色は上へ弧を描き、緑は横へまっすぐ、ピンクは下へ落ちていく
動詞は同じでも、後ろの小さな語が変われば別物になります。get up、get off、get over に共通するのは get だけです。

日常で毎日使う句動詞25選

普通の一日のなかで自然に出てくるものです。語義よりも例文を覚えてください。語義は何を意味するかを教えますが、例文はいつ使うかを教えます。

一日の流れ

  • wake up — 目が覚める。I woke up at six for no reason.
  • get up — 起き上がる。目が覚めることとは別で、その違いは実際に使われます。I woke up at six but I didn’t get up until seven.
  • throw on — さっと服を羽織る。I just threw on a jacket and left.
  • run out of — 切らす。We’ve run out of coffee again.
  • head out — 出かける。I’m heading out in ten minutes.
  • drop by — 約束なしにちょっと寄る。She dropped by on her way home.
  • pick up — 物や人を受け取りに行く。Can you pick up milk? 電話に出る、自然に身につける、の意味もあります。He picked up Spanish in two years.
  • put away — 元の場所にしまう。Put your phone away.
  • tidy up — 片づける。Give me five minutes to tidy up.
  • eat out — 外食する。We eat out maybe twice a month.
  • wind down — 一日の終わりにくつろぐ。I need an hour to wind down before bed.

人との関係

  • get along with — 仲よくやる。I get along with my sister now, which was not always true.
  • hang out — 一緒にだらっと過ごす。40歳以下では「遊ぶ」の標準語です。
  • catch up — 久しぶりに近況を話す。Let’s catch up soon. 遅れを取り戻すの意味も。I missed two weeks and I’m still catching up.
  • run into — 偶然会う。I ran into my old teacher at the station.
  • bring up — 話題を持ち出す。Don’t bring that up at dinner.
  • get back to — あとで返事をする。I’ll get back to you tomorrow. 仕事のメッセージで非常によく使います。
  • break up — 別れる。They broke up in March.
  • make up — 仲直りする。でっち上げるの意味も。He made up an excuse.

うまくいかないとき

  • mess up — しくじる。I messed up the dates. 率直ですが失礼ではありません。
  • mix up — 二つを取り違える。I mixed up their names.
  • break down — 故障する(機械や車)。The car broke down on the motorway.
  • give up — あきらめる。Don’t give up three weeks in.
  • put up with — 我慢する。三語ですが、このページで最も役立つ一つです。
  • sort out — 問題を片づける、整理する。I’ll sort it out. イギリス英語で頻出。アメリカ英語では figure out が近い位置にあります。
  • calm down — 落ち着く。ただし怒っている人に calm down と言うと確実に逆効果なのは、どの言語でも同じです。

仕事と予定で使う句動詞20選

二つめのまとまりです。英語で仕事をしているなら毎週受信箱で出会う表現で、これを自分でも使い返すことが、英文メールが硬くならないための大半を占めます。

  • set up — 段取りする、用意する。I’ll set up a call.
  • call off — 中止する。They called off the meeting.
  • put off — 先延ばしにする。I keep putting it off.
  • go over — 丁寧に見直す。Let’s go over the numbers.
  • look into — 調べる。I’ll look into it and get back to you.
  • carry on — 続ける。Carry on without me.
  • take on — 仕事や責任を引き受ける。She took on two more projects.
  • hand in — 提出する。Hand it in by Friday.
  • fill in / fill out — 用紙に記入する。どちらも正しく、fill in はイギリス寄り、fill out はアメリカ寄りです。
  • back up — 人を支持する、データを保存する。I’ll back you up in the meeting.
  • follow up — 後日あらためて確認する。I’m following up on my last email.
  • figure out — 理解する、解決する。I still haven’t figured out why it failed.
  • work out — うまくいく、計算する、運動する。It worked out in the end. 三つとも頻出で、文脈だけが手がかりです。
  • come up with — 案を出す。She came up with a better name.
  • point out — 指摘する。He pointed out that the date was wrong.
  • turn down — 申し出を断る。I turned down the job. 音量を下げるの意味も。
  • take over — 引き継ぐ。He took over the team in June.
  • end up — 結局〜することになる。We ended up staying three hours. 予定どおりいかなかった話がすべてこれ一つで語れるので、費用対効果が最も高い一語です。
  • keep up with — ついていく。I can’t keep up with the messages.
  • look forward to — 楽しみにする。メールの結びの定番です。落とし穴は後ろが -ing になること。I look forward to hearing from you であって to hear ではありません。ここの to は不定詞ではなく前置詞だからで、get used to doing も同じです。

後ろにつく小さな語にも規則があります

句動詞はふつう丸暗記するものとして教えられます。おおむね正しく、完全には正しくありません。後ろの小さな語にはゆるやかな意味があり、そのパターンは繰り返し現れるので、初めて見る組み合わせでも「当てずっぽう」が効くようになります。

  • up — 最後まで、すっかり。eat updrink upfill upuse upclean up。方向ではなく完了です。
  • out — 外に現れる、あるいは尽きるまで。find outpoint outwork outrun outsort out
  • off — 分離、停止。call offput offtake offget off
  • on — 継続。carry ongo onhold onkeep on
  • down — 減らす、書き留める。turn downcalm downcut downwrite down
  • over — 端から端まで、あるいは乗り越えて。go overthink overget overtake over

規則ではなくヒントとして使ってください。look up は情報を調べるという意味で、上のどれにも当てはまりません。残りは一つずつ覚えればよく、それで十分です。当てずっぽうでも、手がかりなしに文を眺めるよりはるかにましです。

目的語をどこに置くか — ここで差が出ます

文法は二つだけです。一つめは、単語がすべて正しいのに不自然に響かせてしまう、まさにそのルールです。

分離できる句動詞。 目的語はどちらの位置でも構いません。

  • Turn off the light. / Turn the light off.
  • Pick up your sister. / Pick your sister up.

ただし目的語が代名詞(it, them, him, her, me)なら、必ず真ん中に入ります。 覚える価値のある例外はありません。

  • 正: Turn it off. 誤: Turn off it.
  • 正: Pick her up. 誤: Pick up her.
  • 正: I’ll sort it out. 誤: I’ll sort out it.

ネイティブが一瞬引っかかる文のかなりの部分が、この一つに由来します。同時に、このページで最も直しやすい項目でもあります。判断することがないからです。代名詞は必ず真ん中です。

分離できない句動詞。 目的語はつねに全体の後ろに来ます。look into the problemget over the flurun into an old friendlook after the kidslook the problem into はありません。三語のものはすべて分離しません。put up with itcome up with itkeep up with them — いちばん長いものが、いちばん迷わずに済むわけです。

見ただけで両者を見分ける方法はなく、見分ける必要もありません。代名詞が正しい位置に入った短い文ごと覚えておけば — I’ll sort it outI can’t put up with it — 文法はついてきます。ネイティブもそう持っています。

文を表す丸いブロックが四つ並び、青いブロックの間にあった小さなピンクのブロックが破線をたどって右の空きスロットへ移動するイラスト
turn off the light も turn the light off も正解。でも代名詞なら turn it off — 後ろには決して回りません。

教科書が教えすぎているもの

問題集では繰り返し出るのに、実際の会話ではまれな句動詞があります。頻度が高いからではなく、例としてきれいだから載っているものです。わかれば十分で、練習時間を割く必要はありません。

  • put out(火を消す)— 正しい表現ですが、火事の話を頻繁にしない限り出番はありません。
  • take after(親族に似る)— 家族の単元には必ず出てきて、それ以外ではほぼ使いません。ふつうは he looks like his dad です。
  • call on(正式に訪問する)— 多くの地域で古めかしい表現です。
  • do away with(廃止する)— 報道の文体で、会話ではありません。
  • bring about(引き起こす)— 書き言葉専用です。
  • get on with someone — 間違いではありませんがイギリス英語です。アメリカ英語は get along with。相手がどちらを使うか知っておくと役立ちます。バスに乗る get on はどこでも同じです。

目安は単純です。問題集で見ただけで人が言うのを聞いたことがないなら、それは「わかればいい」項目で、「話す」項目ではありません。理解は安く手に入るので一度読んで先へ進み、高くつく発話の練習は上の45個に使ってください。同じ選別の考え方は日常英語の語彙にも通じ、英語のイディオムはさらに上の層を扱います。

真上から見た青い教科書が開かれ、輪郭線だけの淡いカードが三枚ページから浮き上がって飛び去り、黄色いカード一枚が残っているイラスト
教材一単元の句動詞の半分は「わかればいい」項目。口に入る席を得るのは一部だけです。

実際に口から出るようにする方法

このページの句動詞は、たぶんすでにどこかで出会っているはずです。出会うことと自分のものにすることは別の出来事で、その差を作るのは四つです。

  • ペアではなく文で保存する。 put off =(延期する)は辞書の項目で、辞書の項目は会話の途中では浮かびません。I keep putting it off は浮かびます。主語も時制も、正しい位置の代名詞も、状況もすでに付いているからです。
  • 自分の一週間に結びつける。 end up を取って、実際にあったことで三つ文を作ってください。I ended up working latewe ended up walking home。自分の話で作った文のほうがずっと速く戻ってきます。掛けておく記憶があるからです。
  • 週に50ではなく5。 一度に50個は気分のいい午後と、何も残らない一か月をもたらします。声に出して使った5個は残ります。この速度なら、ここの45個はおよそ9週間分です。
  • 声に出す。 黙読しただけの句動詞は聞き取り用のまま残ります。強勢を作ったことがないからです。英語は後ろの小さな語に強勢を置きます。turn it OFFI gave UP。ここがずれると、単語が合っていても耳につきます。

最後の一歩は一人ではできません。句動詞は英語のなかでもっとも会話的な層なので、相手が言葉を返してくるときにしか定着しません。put up with が当然の選択になる瞬間が来て、考えずに一度それを口にする必要があります。CoffeeTalk はネイティブと短く話せるようつないでくれますが、それで十分です。15分の通話の前に句動詞を三つ決めて、意識してひとつずつ使ってみてください。その三つはたいていそのまま自分のものになります。終わりに不自然なところがなかったか聞けば、語順についての指摘ひとつが新しい句動詞20個より価値があります。

辞書が載せる何千も要りません。40いくつを声に出して転がし、後ろの小さな語が「選択」に感じられなくなればいい。全体の流れは英会話の勉強法に、これらの句動詞が入る文は英会話のフレーズにあります。

小さな丸いテーブルをはさんで向かい合って座る二人、テーブルの上には黄色いコーヒーカップ、上では青とピンクの吹き出しが重なっているイラスト
句動詞は、計画せずに使えた最初の一回で定着します。そのためには言葉を返してくれる相手が要ります。

FAQ

句動詞はいくつ覚えればいいですか?

日常会話なら自分で言えるものが40〜60個、聞いてわかるものはもっと多く、という程度で十分です。辞書には何千とありますが、日常・仕事・予定を扱う中心はずっと少なめです。週に五つずつ声に出して使えば、三か月ほどで実用範囲をほぼ覆えます。

句動詞とイディオムの違いは何ですか?

句動詞は動詞に up、out、off などの小さな語がついて、部分の意味とは違う意味になるものです。give up、put off、run into など。イディオムは it's not rocket science のようなより長い固定表現です。句動詞のほうがはるかに頻度が高く、これを避けることが正しい英語を硬く聞こえさせる主因です。

句動詞はいつ分けて使えますか?

分離できるものが多く、turn off the light も turn the light off も正解です。例外のないルールは一つ。目的語が it、them、her などの代名詞なら必ず真ん中に来ます。turn it off であって turn off it ではありません。look into のような分離不可のものと、put up with のような三語のものはそもそも分けません。

聞けばわかるのに、なぜ使えないのですか?

たいていは put off =(延期する)のようにペアで保存したからです。語義は会話の途中で浮かばず、主語と時制と代名詞が入った文は浮かびます。I keep putting it off として保存し、声に出してください。強勢は後ろの小さな語にあります。

句動詞はくだけた表現ですか? 仕事では避けるべきですか?

いいえ。話し言葉でも仕事のメールでも中立です。むしろ一語のほうが格式ばった選択肢です。I'll look into it は仕事で自然で、I shall investigate the matter は法律文書のように響きます。句動詞を避けることが、英語ができる人でもなお硬く聞こえる最大の理由です。