英語学習
英語の基礎 — 初心者が最初に学ぶべきことを順番に

「今度こそ基礎からやり直そう」。英語を再開する人のほとんどがそう言い、ほとんどが同じ場所から始めます。分厚い文法書の1ページ目、名詞と冠詞です。3週間後には不定詞のあたりで止まり、数か月後にまた「基礎からやり直そう」と決意する。問題は根気のなさではありません。そもそも「基礎」の定義が間違っていたのです。
本当の英語の基礎とは、何かを言ったり理解したりする前に必要な四つのことです。音、よく使う単語、基本の語順、そして三つの時制と疑問文。この記事は、まったくの英語初心者と、学校で英語を習ったもののほとんど忘れてしまい、きちんと立て直したい人のためのものです。それぞれの分野で何を学び、どこまでできたら次へ進むのかを説明し、最後に1日30分で回す最初の3か月のプランを紹介します。
英語の「基礎」とは本当は何か
多くの人にとって「基礎英語」は基礎文法を意味します。品詞、文型、12の時制の表。それは英語を分析するための土台であって、英語を使うための土台ではありません。時制の名前を全部言えるのに、What did you do yesterday?(昨日は何をしたの?)と聞かれると長く黙ってしまう人はたくさんいます。
英語を使うための土台は、こうなっています。
- 音 — 英単語を区別する音を聞き取り、出せるか。できなければ、紙の上では知っている単語も会話の中では聞こえません。
- 核になる単語 — 日常会話の大部分を占める数百語、特に動詞。
- 文の骨組み — 英語の決まった語順。誰が、そして動詞、それから残り。
- 時制と疑問文 — 現在・過去・未来と、否定文や質問の作り方。
この四つがあれば、自己紹介をし、一日の様子を説明し、先週末の話をし、簡単な予定を伝えられます。それ以外のもの——関係詞、仮定法、受動態——は、必要になったときにその上に積めば十分です。
多くの初心者をつまずかせる間違いが三つあるので、先に挙げておきます。
- 文法書を最初から最後まで終わらせようとする。 基礎で使うのはせいぜいその5分の1です。
- 3,000語の単語帳から始める。 最初のうちは、量よりも頻度のほうがはるかに大事です。
- 発音を後回しにする。 間違った音で覚えた単語は、二度覚え直すことになります。
ステップ1 — まずは音から
音が最初である理由は単純です。単語を覚えるとき、私たちは意味と一緒に音も記憶しています。間違った音で記憶すると、ネイティブがその単語を言っても、脳が知っている単語と結びつけてくれません。「知っている単語なのに聞き取れない」の多くは、まさにこれが原因です。
すべての音を完璧にする必要はありません。日本語話者が特につまずく音に集中しましょう。
- th — 舌先を上下の歯で軽くはさみます。think は sink ではなく、this は zis でも「ディス」でもありません。
- v / b — v は上の歯を下唇に当てて出す音、b は両唇を閉じてはじく音です。vest(ベスト)と best(最高の)は別の単語です。
- r / l — l は舌先を上の歯の裏の歯ぐきに付け、r は舌をどこにも付けません。日本語のラ行はそのどちらでもありません。rice(お米)と lice(シラミ)では、注文の結果が大違いです。
- 短い母音と長い母音 — ship と sheep、full と fool、live と leave。変わるのは長さだけでなく、口の形です。
- 語末の子音 — 英単語は子音で終わることが多く、その子音が意味を運びます。work / worked、car / cars。落とすと文の意味が変わります。
次に音節です。日本語は子音のあとに母音を足すので、street が「ス・ト・リー・ト」の4拍になりがちです。英語ではこれで1音節。子音が続く部分を余計な母音なしで練習するだけで、ぐっと自然に聞こえるようになります。
最後にアクセント。英単語には必ず、強く長く発音される音節が一つあります。baNAna、COMputer、hoTEL、phoTOgraphy。カタカナ語の「バナナ」「ホテル」とは位置が違うことに注意してください。一つひとつの音が正しくても、アクセントの位置がずれると通じないことがあります。対策は講座ではなく習慣です。新しい単語を覚えるたびに、どこが強いかを確認しましょう。

ステップ2 — たくさんではなく、よく使う単語を
英語には何十万もの単語がありますが、日常会話はほぼよく使う1,000語ほどで回っています。初心者の目標は、その最初の300〜500語です。abundant や inevitable よりも、get、thing、actually のような単語のほうがはるかに役に立ちます。
まずは、ものすごく働く動詞を10個。
- be, have, do, get, make, go, take, come, want, need
get 一つでどれだけ言えるか見てください。get up(起きる)、get home(家に着く)、get it(分かる)、get better(良くなる)、get a coffee(コーヒーを買う)。こうした基本動詞は非常口にもなります。arrive を知らなくても I got there at nine(9時に着いた)で完全に自然ですし、purchase を知らなくても I got a new phone(新しいスマホを買った)で同じことが言えます。
次に小さな単語。the, a, of, to, in, on, at, for, with, it, this, that。ほぼすべての文に出てくるのに、辞書の定義からはほとんど覚えられません。代わりにかたまりの中で覚えましょう。in the morning、at night、on Monday、at home、go to work。
何を覚えるかと同じくらい、どう覚えるかが大事です。単語一つに訳語一つではなく、短い例文を一つ付けて、声に出して覚えます。need=必要だではなく、I need a break.(ちょっと休みたい)。文の中で覚えた単語は、話すときに文として出てきます。1日10語なら、2か月足らずで500語です。すぐ使える例文集としては、50の文をまとめた日常英会話フレーズが役に立ちます。

ステップ3 — 英語の文の骨組み
英語は語順にとても厳しい言語です。ほぼすべての文が同じ骨組みに従います。誰が+動詞+(何を / どこで / いつ)。I drink coffee. She works in a hospital. We watched a film last night. 日本語は「私はコーヒーを飲む」と動詞が最後に来て、語順もかなり自由ですが、英語はそうはいきません。語順そのものが意味を運んでいます。The dog bit the man(犬が男をかんだ)と The man bit the dog(男が犬をかんだ)は同じ単語でできています。
日本語話者がつまずくのは、たいてい次の三つのルールです。
- 文には必ず主語が要る。 日本語では「お腹すいた」「行ってきます」と主語を省けますが、英語では省けません。Am hungry ではなく I’m hungry。天気でさえ形式上の主語を置きます。It’s raining.
- 文には必ず動詞が要る。 「私は学生」「彼女は疲れてる」をそのまま訳すと動詞が抜けがちです。英語では be が必要です。I am a student. She is tired.
- 動作の動詞に be を重ねない。 初心者の定番の間違いが I am go to work です。be は状態や正体を表し、動作の動詞は動作を表します。シンプルな文では主な動詞は一つだけ。I go to work.
文型の表を暗記する代わりに、三つのパターンを口に覚えさせましょう。初心者が言いたいことの大半はこれでカバーできます。
- 誰が+be+説明:I’m tired. She’s a nurse. The station is near here.
- 誰が+動詞:I work. He runs every morning.
- 誰が+動詞+何を:I like coffee. We watched a film.
場所と時間はふつう文の最後に、たいてい場所、時間の順で置きます。I watched a film at home last night. 日本語は「昨夜、家で」と時間を先に言うので、この順番は意識して練習してください。会話向けにもう少し全体を見たいなら、英文法の基礎をどうぞ。

ステップ4 — 三つの時制と質問の仕方
文法書には12の時制が並んでいますが、基礎に必要なのは三つです。
- 現在形 — 習慣と事実。I work at a bank. She lives in Madrid. 主語が he、she、it のとき、動詞に -s が付きます。初心者の会話で最もよく落ちる語尾です。
- 過去形 — 終わった出来事。I worked late yesterday. 規則動詞は -ed を付け、不規則動詞は覚えるしかありませんが、本当によく使うのは20個ほどです。まずは went, had, did, got, made, saw, said, came, took, ate から。
- 未来 — 形は二つで十分です。その場で決めたこと:I’ll call you.(あとで電話するね)。すでに決まっている予定:I’m going to visit my parents this weekend.(今週末は実家に帰る予定)
同じくらい大事なのが否定文と疑問文です。会話の半分は質問だからです。動作の動詞では、英語は助っ人の do を呼びます。
- 現在:Do you like coffee? / I don’t like coffee. / Does she work here?
- 過去:Did you sleep well? / I didn’t go. did がすでに過去を表しているので、主な動詞は原形に戻ります。Did you went? はとてもよくある間違いです。
- be の文では助っ人は要りません。順番を入れ替えるだけです。Are you tired? Is it far?
先頭に疑問詞を置けば、自由に答えられる質問になります。What did you do yesterday? Where do you live? When does it start? Who is that? Why are you late? How was your weekend? この六つは文ごと覚えてしまいましょう。初心者は「答えられないから会話が止まる」と思いがちですが、実際にはこちらから何も聞き返せないせいで止まることのほうがずっと多いのです。
3か月のプランと、最初の本物の会話
四つのステップを1日30分でまとめると、最初の3か月はこうなります。
- 1か月目 — 音と単語。 発音に10分(上で挙げた音のペア、音節、アクセント)、単語に20分。基本動詞10個、小さな単語、そして1日10語の新しい単語を、それぞれ例文付きで、必ず声に出して。
- 2か月目 — 骨組みと時制。 毎日、三つのパターンを使って自分の生活について5文書きます。時制は日替わりで、月曜は現在、火曜は過去、水曜は未来。書いたら一文ずつ音読します。
- 3か月目 — 話す。 見ないで文を言えるようにします。1分間話せるテーマを四つ作りましょう。自己紹介、毎日の過ごし方、先週末のこと、今週の予定。どれも1分話せるようになったら、基礎は完成です。一つ目には英語での自己紹介が良い出発点になります。
3か月目にはもう一つ必要なものがあります。本物の相手に向かって言うことです。初心者にとって一番怖いステップであり、一番多くを教えてくれるステップでもあります。自分の発音が通じるか、文が理解されるか、覚えた質問に人が実際どう答えるかが分かります。間違えても大丈夫です。I go there yesterday と言われても、ネイティブには何が言いたいかちゃんと伝わります。CoffeeTalkではネイティブスピーカーと短い会話ができ、トピックも選べるので、準備した四つのテーマがそのまま最初の会話になります。15分で十分です。
基礎のあとは量の段階です。もっと聞き、もっと話し、話題を広げていきます。4か月目からのプランは英語を独学する方法で続きを扱っています。

FAQ
英語初心者は何から始めればいいですか?
まずは音から始めましょう。特に th、v/b、r/l、短い母音と長い母音、そしてアクセントです。次に、よく使う300〜500語、基本の語順(誰が+動詞+何を)、三つの時制と疑問文の作り方を学びます。文法書を1ページ目から順に進めるのは、基礎を固める一番良い方法ではありません。
英語の基礎を身につけるにはどれくらいかかりますか?
1日30分ほどなら、多くの初心者は約3か月で自己紹介をし、一日の様子を説明し、先週末の話をし、簡単な予定を伝えられるようになります。それが「基礎ができた」の良い目安です。そこから先は、聞く量と話す量を増やすことで伸びていきます。
初心者はまず文法を勉強すべきですか?
話すために必要な文法だけで十分です。語順、be動詞と動作の動詞の違い、現在・過去・未来、否定文と疑問文の作り方。仮定法や関係詞のような応用的な文法は、基礎ができてからのほうがずっと覚えやすくなります。
初心者は英単語をいくつ知っていればいいですか?
基本的な会話なら、よく使う300〜500語で足ります。特に be、have、do、get、make、go、take、come、want、need といった核になる動詞です。それぞれ短い例文と一緒に、声に出して覚えましょう。
基礎しか知らなくてもネイティブと話せますか?
話せますし、大きな助けになります。ネイティブは不完全な文でもたいてい理解してくれますし、自分の発音や文が本当に通じるかを確かめられるのは実際の会話だけです。自己紹介のような、準備しておいたテーマで15分の短い会話から始めてみてください。